福岡運輸株式会社様

「“低”温輸送」から温度を一定に保って配送を行う「“定”温輸送」のパイオニア、福岡運輸
数多くのドライバーさんへの連絡手段としてeltexSMSを採用

1958年12月に冷凍機付きトラックとして登録された
第一号「福岡8あ-0105」の復元車

福岡運輸株式会社(旧ː福岡貨物自動車運送株式会社)は1943年に富永シズ氏により創業。1957年に在日米軍の基地間の食料輸送を民間事業者として委託を受けたことによって、翌1958年に国内では初の冷凍機付トラック第一号「福岡8あ-0105」を登録しました。
こうしたことがきっかけとなり、現在の福岡運輸の中核である「定温物流」事業がスタートし、発展・拡大を続けています。

定温物流とは、単なる冷蔵や冷凍輸送ではなく、輸送するモノ毎に要求される最適な温度を守りながら輸送するということです。こうしたユニークな事業を展開する福岡運輸では、全国に事業所が展開し事業拡大が進むにつれ、いくつかの課題が浮上し、そのひとつが、各事業所で荷物の積み下ろしをするスペース=バースに関連する作業の効率化、でした。

事業拡大に伴い浮上した課題、バース関連作業の効率化に向け
「バース予約受付システム」を独自開発

2019年3月のバース予約受付システムスタート以前は、どのバースが空いて、どんな大きさのトラックが、どのくらいの台数待っているのか?などが、すべて目視や、紙ベースの手作業で管理されていたこともあり、全体把握も難しく、効率的に業務が廻せない、といった状況だったそうです。
そこで、業務推進部システム課が発想し実現したのが、デジタル技術を活用した「バース予約受付システム」です。
このシステムでは、営業所に到着する車両の予約受付を行い、「車両の大きさ」「待機車両数」「荷下ろし・積み込みバースの接車口番号」「作業時間」といったデータを収集・整理します。そのうえで、業務遂行のために最適となる形で予約車をバースに割り当てます。そのため、手作業に比べ、効率化が図れ、バース関連業務全体の見える化も実現できたということです。
そして、ドライバーの方々への連絡手段として、到達率が高く、信頼性が高いとの理由でこのシステムに導入されたのが「ショートメッセージ=eltexSMS」システムです。

バース予約受付システムは社内でスクラッチ開発
ドライバーさんへの連絡手段はショートメッセージを選択

E:バース予約受付システムに関して誕生のいきさつをお聞かせください。

F(生津様):業務推進部システム課は、普段は社内の基幹システムの開発や保守がメインの業務なのですが、「バースの運用がどうもしっくりいかないね」ということで何らかの方法で「うまく運用できないのかなぁ」ということで解決策を探し始めました。SaaS型のサービスなども検討したのですが、「自社開発しようか?」「森主任が開発できそうだ!」ということになって、社内開発に目を向けるようになりました。

業務推進部システム課長 生津 瑠美 様
業務推進部システム課 主任 森 勇仁 様

E:えっ、スクラッチでシステム開発をされたということですか?

F(森様):はいそうなります。通常、業務推進部システム課のシステム開発は、社内ニーズを吸い上げて外部のシステム会社に開発を依頼するのですが、バース予約受付システムについては自社でスクラッチ開発をしました。
このシステムは他の業務などにも連携したいと考えていましたので、自社開発の方がいろいろな意味で都合が良いとの判断もあったのです。
システム開発で検討したのが、ドライバーへのお知らせをどうするか?です。「ここのバースに来てください」みたいな情報を流すので、確実に伝わる必要があります。いちばんコストを抑えられるのがEメールだと思いますが、Eメールの利用に関しては疑問がありまして、他の手段も検討しました。

eltexSMSの採用は、到達率・信頼性に加え価格にも着目して決定
エルテックスさんは実際に訪問してくれて直接話ができたのもよかった

F(生津様)バース予約受付システム導入以前は、ドライバーとの連絡方法はと言えば、バースにいる担当者が待機しているドライバーに直接声がけに行って「待ってて」「来て」、みたいなことをやっていたんですよ。そして、ドライバーへのお知らせを効率化するために着目したのが、ショートメッセージ(SMS)を利用することでした。Eメールを使うことも検討しましたが、メッセージがドライバーに確実に届かなければシステムとしてダメだし、送信先にきちんと届いているか確信が持てるといったことも重要視すると、やはりSMSという確実性を選択しよう、という結論に至ったわけです。

E:eltexSMSはどのような方法でお知りになりましたか?

F(森様):検索エンジン経由でした。確か、エルテックスさんも含めて2~3社を比較検討しました。

エルテックス スマートソリューション部 営業部長 高垣 博一

E(高垣):はい、ご連絡をいただき2017年の年末にお伺いしたことを今でも覚えています。選定の過程でどのようなことを重視されていましたか?

F(森様):信頼性はもちろんですが、全国約90の事業所で、社員や協力会社のドライバーの多くにメッセージを送るので、コストも重要視しました。
あと、SMSのサービスを利用するのははじめてでしたので、わからないことや不安なども正直ありましたが、エルテックスさんは、連絡してからすぐに訪問いただき、直接お話しできたこともよかったです。

E(高垣):それで、ご契約いただけたのでしたら、訪問してよかったですw

F(生津様):メッセージの宛先となるドライバーさんは福岡運輸社員が2割で、8割が協力会社さんのドライバーさんです。こうした方々の通信環境などもわからないこともあり、たまにですが携帯でのEメールの契約をしていない、といったこともありSMS利用は必然でした。

バース予約受付システムの発想からテスト運用まで約半年、アジャイル方式で開発

F(生津様):システムは、過去にはフューチャーフォン(ガラケー)を使っているドライバーさんもいらっしゃったので、Web上で動いています。
発想からテスト運用まで約半年で、ドライバーさんの使い勝手などもヒアリングしながら、アジャイル方式で開発しました。
昔でしたら、朝トラックが来て配送するものを載せて送って、集荷して帰ってきて、順番に並んで受付表の紙に手で書き込んで・・・みたいなワークフローをデジタル化したことにより、業務効率がかなり向上したと思います。

システム導入による業務効率化は2024年問題に対しても巧手となった

エルテックス スマートソリューション部 部長 大畑 貴之

E:システム導入後、数値的にこれだけ向上したといったことはありますか

F(生津様):残念ながら、手作業でやっていた時代と今を比較するのが難しいので、数値的に表すことはできないのですが、バースでの回転が良くなったので、ドライバーさんの効率も確実に良くなっているはずです。
今年は、運輸業界の2024年問題がニュースにもなっていて、国土交通省では、トラックGメンの設置による荷主・元請事業者への監視体制が強化されています。開発当時の2018年には、2024年問題などは想像できなかったんですけどね。
しかし、バース関連作業の効率化という視点でデジタル化を推し進めてきた結果、ドライバーさんの待ち時間がどうなっているか?など、福岡運輸の残業時間削減に対する取り組みを「具体的なエビデンスとして提示できる」という副次的な効果も得ることができたのです。
実際、九州運輸局から交通政策関係表彰の環境保全部門で表彰いただき、国土交通省の「物流配送会社のための物流DX事例」にも掲載されました。

E(大畑):なるほど、そうしたことにも効き目があるシステムなのですね。そうした取り組みへ関わることができて、エルテックスとしても光栄です。ところで、eltexSMSでの送信に関して何か課題はなかったですか?楽天モバイルが過去には他社回線をレンタルしたことなどもあり、つながりにくかったのではないかと心配していましたが、問題はなかったでしょうか。

F(生津様):福岡運輸の事業所は、地方都市の山奥といった携帯の電波が届きにくそうな拠点もありますが「メッセージが届かなかった」というような話は入ってきていません。
システム導入時に、ドライバーさんたちに対して、どのような方法で連絡を受け取るか?という質問もしていて、Eメールでの受信も選択肢にはあるのですが、99%はSMSを選ばれています。たまにSMSとEメール両方を選択する方もいますが、Eメールのみはほとんどいらっしゃらないです。

地場(営業所近隣の輸送)のバース予約受付システムは全国的に導入完了
幹線(福岡~東京などの長距離輸送)関連作業へのシステム導入を開始

F(生津様):最近はじめているのが、福岡と東京を結ぶといった幹線車へのバース予約受付システム導入です。営業所近隣の地場のバース管理は、全国事業所に導入されていますが、幹線の担当者はいまだにドライバーさんと口頭でやり取りをしていて、バタバタしています。
幹線対応でのひとつの課題は、ドライバーさんが仮眠をしているので、SMSをお送りしても気づかれない、ということです。ショートメールの着信音では起きないことがほとんどなので、「電話する」「人が起こしに行く」などの手間がいまのところかかっているのが実情です。一方、事情によってバースの位置が変わることもあるので、そうした重要な情報はSMSで伝えるようにしています。

F(森様):ドライバーさんに起きてもらうために、システム障害が起きたときに、システム担当者に連絡するシステムを利用して、ドライバーさん向けに電話を掛ける機能としています。こういったシステムも活用しながら、さらに便利なバース予約受付システムにしてゆきたいと考えています。

F(生津様):エルテックスさんのeltexSMSは安定しているし、不安もありません。今後もお付き合いをよろしくお願いします。

E:こちらこそよろしくお願いします。

福岡運輸福岡支店のバースを背景に生津課長(左)、森主任(右)

福岡運輸株式会社様のご紹介

システム名

バース予約受付システム
※バース=荷物の積み下ろしをするためトラックを駐停車しておくスペース

会社名

福岡運輸株式会社

ご担当者名

業務推進部システム課長「生津 瑠美」様
業務推進部システム課 主任「森 勇仁」様

リリース

2019年3月