ECサイトをスマホ対応する前に

ECサイトをスマホ対応する前に

 今回は急速に普及しているスマートフォンについてです。2012年には出荷ベースでフィーチャーフォンを超える勢いで普及が進んでいるスマートフォン「うちも早くスマートフォンに対応しなくては!」と思っている方も多いと思います。

ただ、スマートフォンの急激な普及に伴い通信量の急激な増加などいろいろな問題が出てきましたのでそのあたりを少し考えてみたいと思います。まず、フィーチャーフォンとスマートフォンの違いで一番大きいところの一つとして表現力の差があると思います。

HTML5が使用できるなど複雑な表現や動作をさせることができるようになっています。複雑な表現がコンテンツ量の増加を生み、これが急激な通信量の増加につながっています。(フィーチャーフォンと比べると一人当たり10~20倍とういことが昨今のニュース記事でもこのことが話題になっています。)

定額制から従量制へ?

 実際にソフトバンクの孫社長も「通信が遅い、つながらないという問題が顕在化している」と言っていますし、KDDIも10月から「過去3日間で300万パケット以上の通信をした場合、通信速度を制限する」という制度を始めようとしています。米国では大手通信会社が定額制が破たんし従量制に移行したという事例もあるほどです。

つまり、「フィーチャーフォンでやりたくてもできなかったことがスマートフォンではできるぞ!」と気合いを入れてゴテゴテしたスマホサイトを作ってしまうと、従量制課金に移行された場合客離れを誘発してしまう可能性があるということです。また、特に都心部での3G回線は既にかなり逼迫しています。サクサク動く軽いサイトにしておくことは従量制になるならないを問わず必須ではないかと思います。

軽いサイトにするために

  •  解像度の高い画像を多用しない

商品画像などは最適化すべきですし、角が丸いボタンなどはCSSで表現可能です。画像を使うよりもずっとダイエットできます。

  • Webサーバーで圧縮転送する

巨大なJavascriptファイルについても、圧縮して送信することで通信量を抑えることができます。

  • キャッシュの利用

HTML5のキャッシュ機能を利用する。(ブラウザによって挙動が異なるので注意が必要です)

  • ローカルストレージの利用

HTML5のローカルストレージを利用する。JavaScriptからkey=valueの形式でアクセス可能です。


また、物理的に通信量を削減するほかにお客様の心理的な不安を解消するために、「このページを表示するために何バイトで約何円かかります。」などの情報を提供してあげるとよいかもしれません。また、PCサイトと違ってポインティングデバイスがマウスポインタではなく人間の指となります。文字やボタンのサイズを考慮するなど細々としたデザインや表現力にこだわるよりもスマートフォンサイトとての使いやすさを優先することが軽いサイトにする手掛かりになると思います。

結びにかえて

 これらの方法はコンテンツ自体のダイエット(通信量の削減)と軽く動くサイトの実現を同時に実現できます。フィーチャーフォンの料金体系が従量制課金の頃はサーバサイドでの様々な工夫でコンテンツを軽量化していましたが、今やクライアント(スマホ端末)側でも工夫できることが多々あります。また反面、通常の負荷試験ではサーバサイドの限界は想定できますが、今回のケースではわれわれがコントロールできない部分がボトルネックとなるためテストも困難が予想されます。せっかくスマートフォンサイトを構築したのに、コンテンツ軽量化のために二重投資などということにならないよう注意が必要です。

株式会社エルテックス
田丸司【著】

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